仕事で使うExcelについて、上司から相談された。
役所へ提出する数量計算書。
印刷した時には、計算根拠になる数式もちゃんと見せたい。
でも、結果は自動で計算してほしい。
これまでは、数式を表示するセルとは別に、計算用のセルをどこかに作って結果を出していたらしい。
いわゆる捨てセルみたいな使い方だ。
それでも使えないことはない。
ただ、もう少しスッキリできへんかな。
そんな話から始まった。
「コード書いて」ではなく、「こうしたい」と相談した
今回、最初から
「このマクロのコードを書いて」
と頼んだわけではない。
僕がAIに話したのは、
「役所へ提出する数量計算書で、数式は根拠として見せたい。でも結果は自動で出したい」
ということだった。
つまり、コードの話ではなく、やりたいことの話だ。
そこからAIが、
「こういう方法があります」
「このやり方ならこうできます」
と提案してくる。
僕はそれを見ながら、
「それやと上司が使いにくい」
「もっと簡単にならん?」
「このPCでは動いたけど、別のPCでエラー出たぞ」
と返していく。
昔なら、まずネットで検索していた。
似たようなコードを探す。
意味を調べる。
見よう見まねで書く。
エラーが出る。
また検索する。
それを何時間も繰り返す。
今回は、その大部分をAIとの会話で進められた。
Excelのマクロ、昔よりセキュリティが面倒になっていた
僕は10年近く、仕事で本格的にExcelを触っていなかった。
だから今回、
「こんなにマクロのセキュリティ面倒になってるんや」
というのも正直な感想だった。
自分のPCでは動く。
でも上司のPCに持っていくとエラーが出る。
ファイルを共有しただけでは、昔みたいに素直に動いてくれない。
最初は、
「マクロがPCを跨ぐと面倒やな」
と思った。
そこで別の方法としてアドイン化も試した。
これならマクロ入りファイルを毎回配らなくても済むのかと思った。
「お、これやったらええやん」
となった。
でも実際にやってみると、また別のところでエラーが出る。
結局、綺麗な仕組みにすることより、
実際に使う上司が、ややこしいことを考えず使えること
を優先した。
最終的には、上司のPCでもそのまま使える形に戻した。
技術的に綺麗より、「使う人が迷わない」が大事
今回のExcelは、自分だけが使うものではない。
上司に頼まれて作ったものだ。
だから、
「仕組みとして一番美しいか」
より、
「上司が直感的に使えるか」
の方が大事だった。
ファイルを開く。
必要なところに入力する。
結果が出る。
それでいい。
裏側でどんなコードが動いているかなんて、使う側は知らなくていい。
設定を毎回触る必要がある。
別ファイルを読み込む必要がある。
アドインを意識しないといけない。
そういうものは、作った側から見れば面白くても、使う側からすると面倒だ。
今回そこはかなり意識した。
AI相手なら、エラーが出ても気を遣わなくていい
AIと一緒に作業していて、かなり楽だと思ったことがある。
エラーが出た瞬間に、
「おい!できてないぞ!」
と言えることだ。
もちろん実際には怒っているわけじゃない。
でも、人間相手なら少し気を遣う。
何回も同じような修正をお願いする。
一回決めた方向をやっぱり変えたいと言う。
こっちの説明が途中で変わる。
そんな時、
「また言うの悪いな」
と思うこともある。
AI相手なら、それがない。
何回でも、
「違う」
「それやと使いにくい」
「別の方法ない?」
と言える。
しかも、こっちの言葉が少し曖昧でも、
「こういう認識で合っていますか?」
と確認してくる。
この辺は、かなり楽だった。
下手な打ち合わせより、話が早いと感じた
今回くらいの仕組みを作るだけなら、
僕はAI相手の方が楽だと思った。
以前なら、システムに詳しい人へ、
「こうしたい」
と説明する。
相手が仕様に落とす。
出来上がったものを見る。
「いや、そうじゃなくて」
となる。
また修正する。
そんなやり取りが必要だった。
もちろん、複雑なシステム全体を設計したり、セキュリティや運用まで責任を持つ仕事は別だと思う。
でも今回みたいなExcelの仕組みなら、
自分で目的を説明して、AIとその場で試しながら直していく方が早い。
少なくとも僕はそう感じた。
コードを書けることより、「何をしたいか」が大事になってきた
昔の僕なら、このくらいのマクロでも自分で作っていたと思う。
ただ、時間はかなりかかっていた。
ネットで調べる。
コードを書く。
エラーを直す。
また調べる。
それが今は、
「こういうことしたい」
と話すだけで、かなりのところまで進む。
これは大きい。
ただし、
「AIがあるからExcelの知識はいらない」
とは思わない。
ある程度の基礎が分かっていないと、
出てきた結果が正しいか判断できない。
どこがおかしいかも分からない。
使いやすい仕組みかどうかも判断できない。
でも、
基礎知識はある。コードを書く時間だけめちゃくちゃ減らせる。
この状態はかなり強い。
昔は「知識+コードを書く時間」が必要だった
今回やってみて、一番変わったと思ったのはここだ。
昔は、
知識があること。
コードを書けること。
調べる時間があること。
この3つが必要だった。
今は、
知識があること。
やりたいことを言葉で説明できること。
この2つで、かなりのところまでいける。
仕事でExcelを使う人にとって、これは結構大きな変化だと思う。
全部AI任せでいいとは思わない。
でも、
「こういうものを作りたい」
と思った時に、
昔みたいにコード検索から始めなくてもいい。
それだけで、できることの幅は一気に広がる。
僕にとって今回のExcelは、ただ便利なマクロが一本できた話ではない。
「これくらいなら、自分で作れる」の範囲がAIで一気に広がった。
そこが一番面白かった。

