ハワイには、3年半住んでいた。
旅行で何度か行った末に、
「いつか住んでみたい」
と思って移住したわけではない。
きっかけは、もう少し違う。
生命保険の営業をしていた頃に体調を崩して、
実家へ戻って静養していた。
その時、
ハワイへ留学したら、精神的な療養にもなるんじゃないか。
そう思って行ったのが始まりだった。
結果的に、
そこから3年半暮らすことになった。
そして今でも、
ハワイは大好きだ。
ただ、
もう一度家族で住みたいかと聞かれたら、
今の答えは、
「相当な経済的余裕があるなら。」
になる。
好きな場所と、
生活する場所は、
やっぱり少し違う。
観光客としてしか知らなかったわけではない
僕がハワイへ行く前、
妹が高校卒業後に留学していた。
だから、
完全に観光地としてのハワイしか知らなかったわけではない。
ワイキキのホテルに泊まって、
有名な店へ行って、
ビーチで遊んで帰る。
それよりは、
もう少し生活に近いハワイを、
妹を通して見ていたと思う。
だから実際に住み始めても、
「思ってたハワイと全然違う!」
みたいな衝撃はなかった。
むしろ、
住んでみても、
ハワイはハワイだった。
ただ一つ、
想像以上だったものがある。
物価。
ワンルームで1450ドル
僕が住んでいたのは、
ワンルームのマンション。
家賃は、
月1450ドル。
卵を1パック買えば、
8ドルくらい。
ラーメンを一杯食べたら、
25ドル。
しかも、
そこからチップ。
当時ですら、
普通に、
「高っ!」
と思っていた。笑
妹が住んでいた頃から、
まだ10年も経っていなかった。
それなのに、
その頃に聞いていた感覚より、
明らかに物価が上がっていた。
旅行なら、
「ハワイやし、まあしゃーないか」
で済む。
でも、
生活になると毎日の話だ。
家賃。
食費。
買い物。
外食。
全部に、
ハワイ価格が乗ってくる。
観光で行くハワイと、
生活するハワイの一番大きな違いは、
僕にとってここだった。
気候だけなら、今でも最高だと思う
それでも、
ハワイの何がそんなに好きなのか。
一番は、
やっぱり気候だと思う。
一年中、Tシャツと短パンで暮らせる。
でも、
日本の真夏みたいな、
まとわりつくような暑さではない。
もちろん天候は日によって違うけど、
基本的にはかなり過ごしやすい。
僕の中では、
今でも、
気候だけなら本当に最高。
日本の冬に、
何枚も服を着て外へ出るたび、
ハワイの楽さを思い出す。
現地の「テキトーさ」も、ハワイなら許せた
日本人の感覚で見ると、
現地の人はかなりテキトーだ。笑
時間。
仕事。
約束。
接客。
日本の感覚で、
全部きっちり進むと思っていたら、
たぶん疲れる。
でも不思議なことに、
ハワイでは、
それがそんなに嫌じゃなかった。
「まあ、ハワイやしな。」
で済ませられる。
あの気候と、
あの空気感の中にいると、
細かいことを気にする方が、
アホらしくなってくる。
日本なら、
「いや時間守れよ!」
と思うようなことでも、
向こうなら、
まあええかとなる。笑
あの適当さも含めて、
生活が楽だった部分はある。
ただ、言葉の壁はやっぱりある
住んでみて地味にしんどかったのが、
英語だった。
日常会話が全くできない、
という話ではない。
問題は、
自分が伝えたい細かいニュアンスまで伝えること。
言葉が完全に通じるなら、
何でもない買い物。
何でもない契約。
何でもない問い合わせ。
それが、
いちいち少し緊張する。
「この意味で合ってるよな?」
「向こうは俺の言いたいこと分かってるよな?」
そんな確認が、
毎回頭の中に入る。
日本なら何も考えずに済むことへ、
余計なエネルギーを使う。
海外で生活するって、
こういう小さい疲れが積み重なるんだなと思った。
海外に住んで、日本の良さにも気づいた
ハワイへ住んだから、
日本が嫌になったわけでもない。
むしろ逆だった。
海外で生活したことで、
日本人の「当たり前」って、結構すごいんやな。
と思うようになった。
例えば、
時間を守る。
約束した時間に来る。
サービスが大体予定通り進む。
店へ行けば、
だいたい普通にちゃんと対応してもらえる。
日本にいると、
そんなものは空気みたいなものだ。
でも、
一回外へ出ると、
それが当たり前ではないことに気づく。
ハワイのテキトーさは好き。
でも、
日本のきっちりしたところも、
やっぱり素晴らしい。
両方知ったから、
そう思えるようになったのかもしれない。
日本に帰ってきても残ったクセがある
逆に、
ハワイから持って帰ってきたものもある。
街中で、
知らない人と目が合った時。
ニコッとする。
向こうでは、
特に珍しいことではない。
目が合えば、
軽く笑う。
知らない人でも、
ちょっとした言葉を交わす。
その感じが、
僕は結構好きだった。
だから今でも、
たまに日本でやってしまう。
そして、
普通に変な顔をされる。笑
「あ、ここ日本やった。」
となる。笑
3年半住んだことで、
そういう小さい感覚は、
今でも自分の中に残っている。
ハワイが嫌いになって帰ってきたわけではない
海外移住の話になると、
よく、
「住んでみたら嫌になった」
みたいな話がある。
僕の場合は、
それではなかった。
3年半住んでも、
ハワイは好きだった。
気候も好き。
空気感も好き。
人との距離感も好き。
今でも、
特別な場所だと思っている。
以前、
都会に憧れてたんじゃない。成功者っぽい生活に憧れてた。
という記事を書いた。
都会への憧れはなくなった。
でも、
ハワイだけは少し違う。
今でも行きたい。
何度でも行きたい。
ただ、
住みたいかどうかは別。
家族で住むなら、相当な余裕が欲しい
一人で留学するのと、
家族で生活するのでは、
全く話が違う。
家賃。
食費。
医療。
教育。
移動。
旅行では見えない、
生活コストがどんどん増える。
僕が一人で住んでいた時ですら、
物価の高さはかなり感じていた。
それを家族単位で考えると、
今の僕は、
「無理してでもハワイへ住みたい」
とは思わない。
相当な経済的余裕があって、
生活費をほとんど気にしなくていいなら、
話は別だ。
それなら最高だと思う。笑
でも、
ハワイへ住むために、
毎月お金の心配をするくらいなら、
僕は日本で余裕を持って暮らしたい。
今の理想は、「住む」より「帰ってくる」
今の僕が目指したいのは、
ハワイ移住ではない。
日本で余裕のある生活をしながら、年に一回くらいハワイへ遊びに行けること。
そのくらいが、
一番贅沢なんじゃないかと思っている。
日本には、
日本の良さがある。
ハワイには、
ハワイの良さがある。
どちらか一つを選んで、
片方を否定する必要もない。
日本で生活して、
たまにハワイへ行く。
着いた瞬間、
あの空気を感じて、
「やっぱええなー。」
と思う。
そして、
十分楽しんで、
また日本へ帰る。
3年半住んだからこそ、
今はその距離感が、
自分には一番合っている気がする。
3年半住んでも、ハワイは好きだった。
だからこそ、
無理に住まなくてもいい。
今は、
そう思っている。

