FXDLSを探していた頃。
僕はかなり本気でPower Visionを付けるつもりだった。
理由は二つ。
ひとつは、
車両情報を見たい。
油温。
電圧。
回転数。
そういう情報を、走りながら見られるようにしたかった。
そしてもうひとつ。
自分でチューニングを触ってみたかった。
乗り味を変える。
少し試す。
気に入らなければ戻す。
そんなことを自分で気軽にできたら、
めちゃくちゃ「自分のおもちゃ感」あるやん。笑
だから僕の中では、
車両情報を見るためのデバイスとしての魅力と、
チューニングツールとしての魅力。
だいたい半々くらいだった。
ところが、
実際にFXDLSを見に行った日。
販売店でチューニングの話を聞いて、
その考えはかなり変わった。
結論から言うと、
「この車両にPower Visionを入れるのは、やめといた方がよさそうやな」
となった。
このFXDLSは、すでにDirect Link済みだった
僕が買ったFXDLSは、
すでにDirect Linkでチューニングされていた。
チューニングキーも残っている。
ただし、
具体的にどんな内容でチューニングされているのか。
どこの店で施工されたのか。
そこまでは分からない。
僕としては、
そこが少し気になっていた。
だからPower Visionを入れるとしても、
今の状態をそのまま保存して、いつでも戻せること。
これはかなり大事な条件だった。
せっかく今ちゃんと走っている状態を、
よく分からないまま消したくはない。
Power Visionを入れるなら、一度初期化が必要
販売店でその話をすると、
担当者からかなり具体的に教えてもらえた。
この車両はDirect Linkでチューニングされている。
その状態からPower Visionを使うなら、
一度ディーラーなどで車両を初期状態へ戻す必要がある。
つまり、
今入っているDirect Linkの状態をそのまま残して、
その上からPower Visionを追加する、
という単純な話ではない。
そこで言われたのが、
「今の状態を捨てるのは、ちょっと勿体ないと思いますよ」
という話だった。
確かにそうだと思った。
オートチューニングも、万能ではないらしい
僕がPower Visionに惹かれていた理由の一つが、
自分で触れることだった。
オートチューニングを使って、
自分のバイクに合わせて少しずつ調整していく。
それって面白そうだった。
でも販売店の人からすると、
Power Visionのオートチューニング機能も、
何でも簡単に理想の状態へ持っていけるようなものではないらしい。
もちろんPower Vision自体を否定されたわけではない。
使い方によっては便利だと思う。
ただ、
すでにDirect Linkでチューニングされていて、今の状態も悪くない車両なら、わざわざ一度それを捨ててPower Visionへ移るメリットは薄い。
僕はそう受け取った。
納車前に店側で試乗してくれる
もう一つ大きかったのが、
納車前の確認についての話だった。
販売店では、
納車前にスタッフ2人で実際に試乗するという。
そこで、
何かおかしいところがある。
乗り味に気になるところがある。
そんなことがあれば連絡してくれる。
そして必要なら、
店側でDirect Linkを使って再チューニングすることもできる。
しかも納車時なら、
再チューニングは通常より安くできるという話だった。
僕が聞いた時点では、
5万円弱くらいでできるという説明だった。
そこまで聞くと、
ますます、
「じゃあ、今すぐPower Vision入れんでもええやん」
となった。
自分で触れるのは、やっぱり魅力だった
もちろん、
少し惜しい気持ちはあった。
Power Visionを使って、
自分で乗り味を変えてみる。
その日の気分で、
「今日はこんな感じにしてみよか」
みたいに遊べる。
そこにはかなり惹かれていた。
僕はそういう、
自分で触って遊べる機械
が好きだ。
だからPower Visionそのものに興味がなくなったわけではない。
ただ、
最初に思っていたより、
気軽にポチポチ触って遊ぶだけの物でもなさそうだった。
それなら、
詳しい人の話を聞いて、
今の車両では無理に入れない方がいい。
そう判断した。
でも、車両情報は見たい
ここで一つだけ問題が残った。
Power Visionをやめても、
車両情報を見たい気持ちは全く消えていない。
油温。
電圧。
回転数。
そういう情報は今でも見たい。
そこで思った。
「チューニング機能いらんのやったら、わざわざPower Visionである必要ないやん?」
だったら、
車両情報だけ取り出せる方法を探せばいい。
表示はiPhoneでできればいい。
その方が自由度も高そうだし、
チューニング機能がない分、
うまくいけばコストも抑えられる。
そこから、
僕の中でPower Vision探しは終わって、
別の計画が始まった。
Power Visionをやめたというより、必要なくなった
今振り返ると、
Power Visionが嫌になったわけではない。
性能が悪いと思ったわけでもない。
もし僕が買ったFXDLSが、
まだ何もチューニングされていない車両だったら。
今でもPower Visionを候補にしていた可能性は普通にある。
でも今回の車両は、
すでにDirect Link済みだった。
チューニングキーもある。
今の状態も捨てるには惜しい。
そして必要なら、
販売店側でDirect Linkを使って再調整もできる。
だったら、
僕がPower Visionに求めていた二つの役割のうち、
「自分でチューニングする」方が必要なくなった。
残ったのは、
「車両情報を見たい」
だけだった。
それなら、
もっとシンプルな方法を探せばいい。
欲しかった物より、今の車両に合う方法を選ぶ
ネットで商品を見ていると、
だんだんその商品そのものが欲しくなることがある。
Power Visionもそうだった。
最初は、
「車両情報を見たい」
「自分でチューニングしてみたい」
という目的があった。
でも調べているうちに、
Power Visionを付けること自体が目的に近くなっていた部分もあったと思う。
実車を見に行って、
実際にその車両を扱っている詳しい人から話を聞いた。
そこで、
「今のFXDLSなら、別にこれ要らんのちゃう?」
となった。
欲しかった物を買わなかった。
でも、
今はその判断で良かったと思っている。
僕が欲しいのはPower Visionそのものじゃない。
自分のFXDLSを、自分が使いやすい形にしていくこと。
だったら、
その車両に合う方法を選べばいい。
今は、
チューニングは今のDirect Linkを活かす。
車両情報は別の方法で取り出す。
そしてiPhoneを使って、自分好みのコックピットを作る。
その方向で考えている。
Power Vision探しから始まったはずなのに、
気付けば全然違うところへ進んでいる。
でも、
こういう寄り道も含めて、
バイクを自分仕様にしていく楽しさなんだと思う。

