ダイナは消えたのに、なぜツーリングは今もラバーマウント?ハーレーの振動対策を整理する

ダイナは2017年で終わった。

2018年からは、

ダイナと旧ソフテイルが新しいSoftailプラットフォームへ一本化された。

僕もその流れを知った時、

てっきり、

「これでラバーマウントのビッグツインは終わったんやな」

と思っていた。

ところが、

ツーリング系を調べていたら、

ストリートグライドやロードグライドなどのTouringモデルは、

今もエンジンをラバーマウントしている。

これを知った時、

僕は普通に、

「え?まだラバーマウント使ってるん?」

となった。笑

しかもTouringって、

デカい。

重い。

高速道路をゆったり走る。

長距離向き。

僕の中では、

「デカい!ゆったり!直線番長!」

みたいなイメージ。

そんなバイクなら、

Softail以上に振動を消して、

もっと滑らかにした方が良さそうに思える。

じゃあ、

なぜHarley-Davidsonは、

Dynaでは終わらせたラバーマウントを、

Touringには今も残しているのか。

今回は、

ラバーマウント。

ソリッドマウント。

カウンターバランサー。

この3つを整理しながら、

ハーレーがどうやって「鼓動」と「不快な振動」を分けているのかを考えてみたい。

目次

まず、ラバーマウントって何?

ラバーマウントは、

エンジンをフレームへ直接ガチガチに固定せず、

ゴムなどの弾性体を介して搭載する方式。

ポイントは、

エンジンそのものの振動を消すわけではない

ということ。

エンジンは普通に揺れる。

でも、

その振動がそのままフレームへ伝わるのを抑える。

だから、

アイドリングでエンジンを見ると揺れているのに、

走り出すと車体や乗員へ伝わる振動はある程度丸められる。

Dynaに乗っていると、

これがかなり分かりやすい。

僕のFXDLSも、

アイドリングではエンジンがブルブル動く。

前にも書いたけど、

僕にはあれが、

馬が呼吸しているみたいな生き物感

に感じる。

これが好き。

ソリッドマウントは、その逆

同じVツインエンジンでも、ラバーマウントではゴムなどの弾性体を介してフレームに固定し、振動を車体へ伝えにくくする一方、ソリッドマウントではエンジンをフレームへ直接固定する違いを比較した図解イラスト。

ソリッドマウントは、

エンジンをフレームへ直接固定する方式。

当然、

エンジンが大きく振動すれば、

その振動はフレームへ伝わりやすい。

そこで必要になるのが、

カウンターバランサー。

エンジン内部に、

振動を打ち消すための重りを持ったシャフトを入れて、

クランクの動きから生まれる振動を相殺する。

つまり、

かなり大雑把に言えば、

ラバーマウントは、

「エンジンは揺れてもいいから、車体へ伝えにくくする」

方式。

ソリッドマウント+バランサーは、

「そもそもエンジン側の振動を減らしてから、車体へ固定する」

方式。

考え方が違う。

旧ソフテイルは、すでに後者だった

Twin Cam時代の旧ソフテイルには、

Twin Cam 88B、96Bなど、

カウンターバランサー付きのエンジンが使われていた。

エンジンはソリッドマウント。

だから、

Dynaのようにエンジン自体が車体の中で大きく揺れる感じは少ない。

以前よく乗っていた父親のSoftail Deluxeも、

Twin Cam 96B。

僕のFXDLSと比べると、

同じTwin Camでも、

明らかに落ち着いている。

もちろん、

96と110。

マフラー。

車体。

セッティング。

全部違うから、

単純比較はできない。

でも、

ラバーマウントのDynaと、

バランサー付きソリッドマウントのSoftailでは、

エンジンの存在感が違う。

この辺は、

ダイナと旧ソフテイルは何が違う?見た目だけでは分からない構造の違い

でも詳しく書いている。

2018年の新ソフテイルは、さらにバランサー重視になった

2018年からの新Softailは、

Milwaukee-Eightを搭載。

Softail用M8には、

デュアルカウンターバランサーが使われている。

Harley-Davidsonは当時、

このバランサーによってアイドリング時の一次振動を大きく抑え、

エンジンをフレームへリジッドマウントできるようにしたと説明している。

エンジンをリジッドマウントできれば、

エンジン自体をフレーム剛性の一部として使いやすくなる。

結果として、

車体剛性。

ハンドリング。

レスポンス。

そういう面では有利になる。

つまり、

現行Softailは、

振動を抑えて、エンジンをしっかり車体へ固定する方向

へ進んだ。

これは、

走りを考えれば理にかなっていると思う。

じゃあTouringは、なぜ今もラバーマウントなん?

ここが今回一番気になったところ。

Milwaukee-EightのTouring用エンジンは、

Softail用と同じ振動対策ではない。

Touring用M8は、

シングルバランサー。

そして、

エンジン自体はラバーマウント。

Harley-DavidsonはM8登場時、

このシングルバランサーで一次振動の約75%を打ち消しながら、

Vツインらしい鼓動感を残す設計だと説明している。

さらに、

高速巡航ではラバーマウントによって、

より滑らかな走行を狙っている。

つまり、

Touringは、

バランサー+ラバーマウント

を両方使っている。

ここが僕は面白かった。

「バランサーかラバーマウントか」の二択じゃなかった

同じVツインエンジンでも、ラバーマウントではゴムなどの弾性体を介してフレームに固定し、振動を車体へ伝えにくくする一方、ソリッドマウントではエンジンをフレームへ直接固定する違いを比較した図解イラスト。

僕は最初、

ラバーマウントとバランサーって、

どちらか一方を選ぶものだと思っていた。

Dynaはラバーマウント。

Softailはバランサー。

そんな単純な話かと思っていた。

でも、

Touringは違った。

エンジン内部ではバランサーを使う。

でも、

完全に振動を消し切る方向にはしない。

さらに、

フレームとの間にはラバーマウントを使う。

要するに、

エンジンの振動そのものも減らすし、
車体へ伝わる振動も減らす。

両方やっている。

だから、

Touringもエンジンは揺れる。

ただし、

Dynaみたいに、

「ブルブルブルブル!」

と暴れる感じではない。

そもそもバランサーでかなり振動を減らしているから、

Dynaとは別物。

ここは、

「TouringもラバーマウントだからDynaと同じ」

と考えると間違う。

Touringは、揺れる。でもDynaほど暴れない

これ、

言葉だけだとちょっと分かりにくい。

Dynaの場合、

Twin Camの大きな鼓動を、

ラバーマウントで車体から逃がす。

だから、

アイドリングではエンジン自体がかなり動く。

僕が好きな、

あの生き物感。

一方TouringのMilwaukee-Eightは、

まずバランサーで一次振動をかなり減らす。

その上で、

残った振動をラバーマウントで車体へ伝わりにくくする。

だから、

エンジン自体は動くけど、

Dynaほどの暴れ馬感ではない。

むしろ、

必要な鼓動感は残しながら、
長距離で邪魔になる振動を減らす

という考え方に近い。

Touringでラバーマウントが残るのは、用途に合っているから

Touringって、

とにかく車体が大きい。

ホイールベースも長い。

フェアリングも大きい。

リアにはハードサドルバッグ。

高速道路を長時間走ることも多い。

僕の中では、

まさに、

デカい!ゆったり!直線番長!

というハーレー。笑

そういうバイクなら、

Softailみたいに、

エンジンを完全に車体剛性へ組み込んで、

キビキビ曲がる方向へ振る必要性は、

相対的には低い。

それより、

高速巡航で余計な細かい振動を減らしつつ、

ハーレーらしい鼓動を残す。

そっちの方がTouringのキャラクターに合う。

これはかなり納得できる。

僕がいらないのは「ビリビリ系の振動」

振動って、

全部同じじゃない。

僕はDynaの振動は好き。

アイドリングの、

ドコドコ。

ブルブル。

エンジンが動いている感じ。

走り出してからの、

大きな鼓動。

これは、

むしろハーレーに欲しい。

でも、

細かい高周波の、

ビリビリビリ……

みたいな振動は、

別にいらない。

手が痺れる。

ミラーが見えない。

長距離で疲れる。

そういう振動まで、

「ハーレーらしさ」

として残す必要はないと思う。

だから、

Touringが、

バランサーで嫌な振動を減らして、

さらにラバーマウントで車体への伝達を抑える。

それでも、

Vツインらしい鼓動感は残す。

という方向は、

かなり合理的だと思う。

じゃあ現行Softailは、なぜラバーマウントじゃない?

ここも、

Touringを知ると逆に気になる。

Softailは、

デュアルバランサー。

そして、

エンジンをリジッドマウント。

その理由として、

Harley-Davidsonは、

新Softailでフレーム剛性を高めることをかなり重視している。

エンジンをフレームへしっかり固定できれば、

車体全体をより剛性の高い構造にできる。

実際、

現行Low Rider SやStreet Bobなど、

旧Dynaが担っていたスポーティーな役割も、

新Softailへ移っている。

だから、

「走るビッグツイン」

として考えれば、

今の構造は理にかなっている。

前の記事、

FXRからダイナ、現行ソフテイルへ。ハーレーの「走れるビッグツイン」はどう変わった?

でも書いたけど、

現行Softailは、

Dynaの役割は引き継いでいる。

でも、

構造は別物。

その違いの一つが、

このエンジンマウント方式でもある。

リアがツインショックなのと、ラバーマウントは全く別の話

ツーリングモデルを真横から描き、リアの左右2本のショックを「リア:ツインショック」「スイングアームを支えるサスペンション」、エンジン周辺のマウント部を「エンジン:ラバーマウント」「エンジンとフレームのつなぎ方」と別々に示し、ツインショックとラバーマウントは役割も場所も異なる仕組みだと説明した図解イラスト。

ここも混同しやすい。

Touringは今も、

リアに左右2本のショックを持っている。

だから、

見た目だけ見ると、

「Dynaと似た構造?」

と思うかもしれない。

でも、

リアサスペンションと、

エンジンマウントは完全に別の話。

リアツインショックは、

スイングアームをどう支えるか。

ラバーマウントは、

エンジンをフレームへどう搭載するか。

関係ない。

Touringが、

ツインショックだからラバーマウントなわけではない。

そこは切り分けて考えた方がいい。

Touringの見た目は、やっぱり唯一無二だと思う

僕自身、

Touringに乗り換えたいとは思っていない。

FXDLSが僕の終着点。

これは変わらない。笑

でも、

Touringの見た目はやっぱり独特。

あのデカいフロントカウル。

ストリートグライドのバットウイング。

ロードグライドのシャークノーズ。

リアのハードサドルバッグ。

あの形って、

他メーカーではあまり見ない。

あれだけ大きくて、

あれだけツーリング向けなのに、

ちゃんと「ハーレー」に見える。

そう考えると、

エンジンの鼓動まで全部消してしまわず、

少し残す。

という考え方も、

キャラクターとしては分かる気がする。

ラバーマウントは「古い方式」だから残っているわけではない

今回調べて、

僕が一番認識を改めたのはここ。

僕は、

Dynaがなくなった時点で、

ラバーマウントのビッグツインも終わったと思っていた。

でも、

そうじゃなかった。

Harley-Davidsonは、

Touringでは今も使っている。

つまり、

ラバーマウントを、

「古いから捨てた」

わけではない。

Softailでは、

高剛性な車体を作るために、

デュアルバランサー+リジッドマウント。

Touringでは、

長距離性能と鼓動感を両立するために、

シングルバランサー+ラバーマウント。

用途に合わせて、

違う方法を使っている。

そう考えると、

かなり分かりやすい。

でも、それならFX系にも残してくれて良かったんちゃう?

ここからは完全に僕の好み。

理屈としては分かる。

新Softailの方が、

高剛性。

ハンドリングもいい。

走りもいい。

振動も少ない。

性能としては、

進化していると思う。

でも、

ハーレーって、

そもそも性能だけで選ぶバイクちゃうやん。

しかも、

Touring用に、

シングルバランサー+ラバーマウントのMilwaukee-Eightを今も作っている。

なら、

Softailフレームへ統合するのは仕方ないとしても、

Low Rider。

Street Bob。

Low Rider S。

みたいなFX系だけでも、

ラバーマウント系の仕様があっても良かったんちゃう?

と思ってしまう。

もちろん、

フレーム設計。

認証。

生産。

コスト。

そんな単純な話じゃないのは分かる。

でも、

Dynaというファミリーが終わったとしても、

あの“揺れるビッグツイン”の系譜まで一緒に終わらせる必要あったんかな?

とは思う。

Touringには残ってるんやし。

だから、

最後に一言だけ。

**ソフテイルフレームへ統合しても、
エンジンは2パターンあっても良かったんちゃいますか?

ダビッドソンさん?**

と思う今日この頃である。笑

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この記事を書いた人

建設業で働きながら、ハーレー、釣り、仕事、暮らしの中で実際に経験したこと、試したこと、考えたことを記録しています。正解を押しつけるのではなく、自分なりのリアルな視点で発信するブログです。

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